アレルギー外来・アレルギー科
ご家族・お子さんに寄り添ったアレルギー治療を行っていきます
子どものアレルギーでは、成長するにつれて、 いろいろなアレルギー症状が出現する場合があります。 おむつかぶれ、赤ちゃんのほっぺやよだれのただれが治りにくい、 すこしカサカサ肌で、首のあたりをかきむしり跡がある・・・・、最初は小さな症状でも、ずーっと身体の一部で炎症が起きていることは、将来の喘息や食物アレルギーに徐々につながり得ることをご存じのお母さんは少ないかと思います。 将来の生活の不便さを考えると、少しでも症状の小さなうちに、いつも生活している方がご一緒にいらして、専門医に診察を受けることは、大変有効かと考えます。 当院では、アレルギー外来で、次の病気の診察・治療をしていきます。 ・アトピー性皮膚炎 ・食物アレルギー ・小児ぜんそく(喘息) ・花粉症 ・じんましん アレルギーには症状を抑える薬はありますが、根本的に治るような薬はありません。症状が落ち着くように、悪化しないように、年単位で病気をコントロールすることが大切です。
まずはゆっくりとお話を聞かせてください
だからこそ、当院では、最初にじっくりとお話を伺います。 アレルギーを起こす食べものの種類、これまでに経験した症状、おうちでの食事内容、 過去の検査結果などについて、細かいな…と思うくらい、詳細に問診をしていきます。
この後できることについて、一緒に考えていきましょう
そして、今後の対応や治療方針などについてお話します。 アレルギーは遺伝や体質だけでなく、生活環境などのさまざまな要因が関わるため、おうちでの生活で気をつけることや、どうやって症状がでないように落ち着かせていくかなどについて、ていねいに指導いたします。 アレルギーについての初診の方専用に20分の予約枠を設けております。 また、当院では、管理栄養士もおりますので、食べ物についての日常や、具体的な症状のお話、ご両親の心配されていることなど、じっくりとお話しすることが可能です。
アレルギーの検査方法
【1】問診 詳細な問診がなにより大切です。場合によっては、血液検査をしなくても、原因がわかることがあります。 当院では、予約枠内で時間の許す限り問診を行います。 【2】血液検査 もっともポピュラーな検査方法です。乳幼児にも対応しています。 【3】皮膚テスト(プリックテスト) 皮膚にアレルギーの原因(アレルゲン)エキスを垂らして調べる検査です。乳幼児にも行えます。 【4】食物経口負荷試験 入院せずに、当院の外来で行うことができます。除去が必要な食物や、解除とその程度を判断します。 血液検査や皮膚検査での結果が陽性でも、実際には症状がでないこともあります。 他の検査やこれまでのアレルギー歴から、総合的に判断します。 リスクの高い方の食物経口負荷試験は、専門施設(山梨厚生病院)と連携して行うことができます。
当院のアレルギーに対する考え方
【食べ物の除去について】 以前は、血液検査で陽性になると、その食品を一切食べないように指導されていました。しかし、近年この食物アレルギーへの取り組みが大きく変化しました。 たとえ血液検査が陽性でも、何の問題もなく食べられるケースがあります。やみくもにアレルゲンを完全除去するのではなく、症状のでないレベルを診断し、食べられる範囲でアレルゲンを摂取する場合もあります。 どんどん成長していく子どもにとって、食べものはとても大切です。 当院では、血液検査だけで除去の判断をするのではなく、外来での「食物経口負荷試験」などを併用しながら、どこまで何を食べられるのか、きちんと指導していきます。 【食物アレルギーの診断書】 食物アレルギーにより、園や学校給食で、食品の制限や除去が必要なお子さんのために、生活管理指導表など「診断書」を発行しています。 アレルギー専門医の立場から、詳細な問診や適切な検査を行い、的確な指示書を発行します。ぜひご相談ください。 【卵アレルギーがある子の予防接種】 麻しん、麻しん・風しん混合(MR)、インフルエンザなどのワクチンには、「鶏卵」の成分が含まれています。 とはいえ、ワクチンに含まれる卵の成分はごく微量のもので、卵アレルギーがあるお子さんでも、ほとんどの場合、問題なく接種することができます。お気軽にご相談ください。 【アトピー性皮膚炎】 アトピー性皮膚炎で大切なことは、適切なスキンケアと塗り薬の使用、環境整備です。どの薬をどこに、どのくらいの量、どのくらいの頻度でいつまで使用するのかをきちんと守ること。外部にさらされている皮膚は、季節によっても状態が変化します。 その時々で、皮膚の清潔を保って保湿するためのコツをお伝えして、正しいスキンケアの方法を指導します。 湿疹の原因は何か、どうしたらそれを予防できるか、などについて一緒に考えていきます。 【アレルギー疾患について】 アレルギー疾患といわれているものは、いろいろありますが、 代表的な4つについて簡単にご説明いたします。 ●食物アレルギー 原因となるアレルゲン食物を口にすると、じんましんや湿疹、咳、腹痛や嘔吐などが出現します。すぐに症状が現れるときもあれば、数時間後に症状が出ることもあります。 ●アトピー性皮膚炎 2ヶ月~6ヶ月以上、かゆみの強い特徴的な湿疹が続きます。 乳児湿疹と区別がむずかしい場合もありますが、総合的に診断します。 ●小児気管支ぜんそく(小児ぜん息) 長引く咳き込みやゼイゼイ、ヒューヒューという咳、走り回ると咳き込むなどの症状があります。 小児ぜんそくの70%は3-4歳までに発症します。 ●アレルギー性鼻炎 くしゃみ・鼻水・鼻づまり、目のかゆみなどの症状があります。 ハウスダストなどに反応する通年性のアレルギー性鼻炎や、スギ花粉症などの季節性のアレルギー性鼻炎があります。 【花粉症(舌下免疫療法)】 スギ花粉症に対して認可された、日本で最初の舌下免疫療法です。舌下免疫療法の 初回は、アレルギー専門医のもと、経過観察をすることが当院で可能です。 慣れてくれば、ご自分で治療していくこととなります。 ・12歳以上のスギ花粉症にお悩みの方に処方可能です。 ・費用は、保険診療です。中学生では、例えば甲斐市では償還払い(=無料)です。 ・高校生以上の場合は、3割負担で3000-4000円/月くらいの費用になります。 (※他の治療やお薬の処方がない場合の概算です。) 花粉症が治るの? ⇒お薬の販売前の治験と呼ばれる大規模な投薬データでは、2割の方が完治し、6割の方に症状の改善がみられ、2割の方には効果がありませんでした。 (2016年現在では、スギ花粉症を根本治療する唯一の方法とされています。)